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ご縁の輪|第一伊藤建設 代表取締役|伊藤卓見(2020.2.21)


土木関係の会社で働いたのち、家業である第一伊藤建設株式会社(設立年:1969年7月、従業員:56名、事業内容:注文住宅建設など)の一員となった伊藤卓見。現在は代表取締役として会社を牽引しているが、今日までの道のりは決して平坦なものではなかった。入社当初のエピソードや今後の展望に迫る。

新入社員とともに市場調査をした思い出


第一伊藤建設に入社したのは、1995年(平成7年)のことだ。前職では土木関係の仕事をしていたが、ひとくちに「建設業」と言っても、土木と住宅には大きな違いがある。住宅に関しては右も左もわからず、何もかも手探りでのスタートだった。「企画を考え、商品を作ってみるように」。会社からこんな指示を受けた伊藤は、同時期に入社した新入社員とともに、大型分譲地へと足を運んだ。市場調査に繰り出したのだ。多くの家のドアを叩き、「なぜ家を建てようと思ったのか」「なぜこの場所に決めたのか」「この家のこだわりは何か」などを細かく聞いて回った。たくさんの人から話を聞いてわかったのは、「住宅にはそれぞれのニーズがある」ということだ。3か月ほど市場調査を続けたのちに企画を提出。次に行うべきは販売だ。ここから7年間、伊藤は営業活動に携わった。


東日本大震災による危機を乗り越えて


その後、グループ内の土木建築会社の社長に就任。地域の強いつながりの中に飛び込むのは勇気が要り、顔と名前を覚えてもらうために毎朝のように挨拶回りをしたという。前職での経験を活かしながら経営に取り組んだが、グループ内の決定により、2006年(平成年)3月末に会社を閉める運びとなった。最後の賞与を手渡し、一人また一人と会社を去る社員を見送ったときの悔しさは、今も胸に刻まれている。土木建築会社を畳んだのち、第一伊藤建設に戻って営業部長として3年間勤務。2009年(平成21年)に代表取締役に就任し、今日まで走り続けてきた。最も印象に残っているのは、2011年の東日本大震災だ。地震発生から数日後、部材が入ってこないことが発覚すると、伊藤は社員を集めて「工事を止めるか否か」を問いかけた。すると、こんな心強い言葉が返ってきたのだ。「できるだけのことはやります」。


そこからは目が回るような忙しさだった。営業担当および工事担当の社員が中心となり、代替品を使用して工事を続ける旨をお客様に説明。お客様の理解は得られたが、このままサプライチェーンが回復しなければ、会社は倒産してしまう。そんな恐怖を抱きながら、伊藤自身も東奔西走した。数か月後にサプライチェーンが回復したときには、ほっと胸を撫で下ろしたという。


これからのイトーグループ

これからのイトーグループ会社の未来のため、伊藤は4つのキーワードを掲げている。


1つ目は、「共有、共感、共創」。グループ間のコミュニケーションを活性化し、情報を共有する。そうして互いに共感し合い、共により良いものを創造するのだ。グループ報がこの一助となれば、それに勝る喜びはない。


2つ目は、「選択と集中」。次から次へと新しい技術が誕生しているが、そのすべてを取り入れるのは不可能だ。会社に合ったものを選択し、集中して取り組むことで、業務効率は格段に向上するだろう。


3つ目は、「ファーストコールカンパニー」。お客様が困ったとき、真っ先に声をかけてもらえるような会社になりたい。SDGs実現のためにも努力を惜しまず、浜松地域でナンバーワンの会社を目指す。そのために、コマーシャル制作にも力を入れている。


4つ目は、「未来は意志を持って作ろう」。確固たる意志を胸に目の前の業務に臨み、一つひとつの仕事を未来へとつなげていく。社員一人ひとりの行いが、これからのイトーグループを作り出すのである。グループ全体で力を合わせ、はるかな高みを目指していく。その先頭に立って、伊藤はこれからも走り続ける。



 



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