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ご縁の輪|株式会社環境システム 代表取締役社長|鈴木武(2020.4.23)

2012年、株式会社環境システム(設立年:1995年、従業員:12名、事業内容:地盤調査・改良など)の代表取締役社長に就任した鈴木武。1974年、ナショナル住宅建材株式会社の代理店であった伊藤建設株式会社(現在の第一伊藤建設株式会社)に入社して以来、グループの成長を肌で感じてきた鈴木の軌跡に迫った。

環境システムの誕生


1979年にナショナル住宅部門が分離し、静岡ナショナル住宅株式会社(現在の株式会社パナホーム静岡)が誕生。鈴木もその一員となった。その後、パナホームが工業化住宅へと舵を切ったのに伴い、パナホーム静岡での施工も変化していく。工業化住宅の施工は、工場で生産したパーツを現地で組み立てる工法で、その生産工場は茨城と滋賀の2か所のみ。静岡まで毎回4トントラックで建材を運び、ドライバーがそのまま工事を担当して一気に組み立てるのだが、

天候が悪化すると施工ができず、トンボ帰りになるときもあった。スケジュールの組み直しに時間がかかり、工期が想像以上にずれ込むことも多かったという。


「自社の倉庫にパーツを納めてもらい、そこから自分たちで配送して施工したらどうだろうか」。当時パナホーム静岡の代表であった伊藤健次のこのアイデアに、従業員たちは賛同。「今のままだとお客様にも迷惑がかかる。みんなでやろうじゃないか!」こうして鈴木をはじめ、パナホーム静岡の工事担当者や営業社員らが参加して設立した部門が環境システムの前身となり、次第に施工だけではなく、住宅にかかわる測量や足場なども手掛けるようになった。専門性が高まったことを受け、1995年に環境システムとして独立し、パナホーム静岡と第一伊藤建設の仕事を請け負う形になったのである。


伊藤代表の背中を追い続け


二つ年上の伊藤は、何事にも全力投球だった。思い出すのは、まだ鈴木が沼津支店の営業責任者だった頃のこと。そのころ伊藤は営業部長として本社に勤務していた。そんな中、あるお客様がパナホーム静岡と契約した後、ライバル企業からの猛烈なアプローチを受け、契約を破棄したいと申し出てきたことがあった。鈴木が電話でその報告をすると、伊藤は車で沼津支店に飛んできて「熱意が足りないんだ!一緒に来い!」と一喝。そのままお客様の家に向かい、夫婦そろって外出しようと玄関を出たところをつかまえ、伊藤は話し始めた。立て板に水のごとく止まらない営業トークに、鈴木は隣で唖然とするばかり。最終的に、見事ライバル企業への乗り換えを阻止して着工に至ったのである。

「現場が困っていたら責任者が自ら飛んできてくれる。それが伊藤代表です。自分が上に立ったとき、同じようにできるのだろうかと、自問しましたね。代表に必死についていくうちに、いつのまにか50年近く経っていました」。

現在鈴木は、上棟の日は必ず現地に顔を出している。お客様に挨拶もするが、主な目的は社員を鼓舞することだ。社員を思い、フットワーク軽く動いている様子は、かつての伊藤の姿を彷彿とさせる。


若手社員の成長の喜び


鈴木のミッションの一つに、新卒採用の強化がある。「2012年に3名の新卒が入ってくれました。測量の鈴木英希君は、測量から地盤調査まで一人で担うまでに成長しています。入社当時は足場のことが全くわからなかった渡辺有真君も、今では頼もしい存在になりました。組み立ての井上敬介君もスペシャリスト。粛々と作業をこなす技術者です。3人とも立派に育ってくれているのが、とても嬉しい」。


その後、新卒が1名入社したものの、現在は採用難に直面しているという。環境システムにある素晴らしい技術を、パナホーム静岡だけでなく、グループの中で広範囲に発揮できるよう後進の育成を進めていきたい。そのためにも、より一層採用に力を入れていくつもりだ。伊藤の背中を追い、走り続けておよそ半世紀。その情熱の向かう先には、環境システム、そしてイトーグループのさらなる発展があるに違いない。



 



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